30年続けた競馬をやめようと思った最大の理由は、毎週月曜朝に襲ってくる絶望感。
これから1週間仕事しても取り戻せない負け額。
わずかな気の迷いで取り逃したレース。
せっかくの休みを競馬にささげ、疲れが取れない心と身体。
競馬で費やした金と時間を、隣で寝ている妻と息子のために使えなかった後悔。
そんなマイナスの集合体に押しつぶされ、起き上がる自分。
何度繰り返しても抜け出せない自分がいた。
昨年の暮れ、こっぱみじんに負けたのを機に決意した。
「とにかく、やめよう」
まず、グリーンチャンネルの解約手続きをした。
次に、JRA-VANとレーシングビュアーの契約を止めた。
今まで、何度か行おうと頭だけで思っていたことを、ようやく実行できた。
年明け、1月6日の金杯をどうやって乗り切るか。
まず出馬表を見ないことにした。
出馬表を見たら最後。馬名や騎手名を見たら、もう止められない。
木曜日、金曜日。とにかくパソコンを立ち上げず早寝した。
そして、金杯当日。さっさと息子と外に出かけた。
15時頃帰宅したが、とにかく競馬中継以外のテレビを見た。
そして、最終レースの発走時刻が過ぎた。
夜になって、ネットでレース結果を見た。
幸いにも、昨年まで目をつけていた馬は凡走していた。ホッとした。
日曜日も、成人の日で開催があった月曜日も乗り切った。
昨年まで目をつけていた馬が勝ったレースもあったが、もう終わったことだ。
3連休を楽しめなかった物足りなさはあったが、とにかく悪い流れは止めた。
そして火曜日の朝。
絶望感はなかったが、正直思っていたほどのスッキリ感もなかった。
ただ、それは世間一般のサラリーマンが感じる週明けの憂鬱と同じであろう。