競馬を続けた先にある世界

ギャンブル障害を抱えながら、それでも競馬で勝ちたい思いを捨てられない40代おっさんのブログです。

第157回 天皇賞(春)

この週末は

土曜日に青葉賞、日曜日に天皇賞(春)と私にとって思い入れのあるレースが続いた。

競馬を止め続けるのがつらい週末だった。

テレビ東京青葉賞」と聞くと、今でも思い出すのが1996年のレースである。

高橋明騎手とコンビを組んだマウンテンストーン号が大外を回って力強く抜け出したレースである。

高橋明騎手は、同じ境勝太郎厩舎に小島太騎手がいた関係で、サクラの馬が回ってくることはほとんどなく、サクラの馬以外の境勝太郎厩舎の所属馬が回ってくることが多かった気がする。

小島太騎手にばかりいい馬を回して、ずいぶん不公平だなと思ったものである。

とはいえ、たまに有力馬に乗ったときに馬券を買ってみると、期待を裏切られてばかりだったのも事実である。

しかし

マウンテンストーンの騎乗においては人気薄で2着したり、前走500万特別を優勝したりと、手があっている感じがした。

そして青葉賞。私はこの馬から勝負することにした。

一緒に出掛けた友人は、鞍上がなぁ・・・と言っていたが、全く気にならなかった。

自分としては、人気も全然ないし、当時のテレビ東京は12チャンネルだったので、馬番12番は最高の番号だと思った。

そして、とにかく抜けないように相手6点くらい流した。

結果、4角3番手から大外を回しながらも力強く伸びきったのである。

相手も流したうちの、カシマドリームが2着に入り、単勝2,220円、馬連9,800円というパーフェクトともいえる的中となった。

天皇賞(春)

も、私にとってというか我が家にとって一大イベントだった。

普段は私だけ、もしくは私と父だけの参戦だったが、春秋の天皇賞デーだけは母も参戦した。

中山競馬場のクリスタルコーナー(指定席)を確保するのに、朝7時前に列に並び、それでも結構ギリギリで、7時15分頃に整理券が配布され、8時45分まで解散という感じだった。

解散後、最初のうちはどうしていいか分からず、ベンチに座って時間をつぶすしかなかった。

しかし、近くにRoyal Hostがあることを知り、他の人と競争しながら、店に向かった記憶がある。

当時、私は20代、父母は40代から50代。今は私は40代、父母は70代半ば。

朝7時半に、満席となったRoyal Hostで朝食をとるのは、競馬が始まる前のほんとにワクワクする時間だった。

父は「1馬」、母はアベコーの予想が好きだったので「ホースニュース馬」、私は「ダービーニュース」を買っていた。

なぜ、この3紙なのかというと、やはりラジオ日本の競馬中継の解説の影響が大きかったのだと思う。

清水成駿、笹川忠、阿部一俊。他に勝馬の二宮徳明、ダービーニュースの長谷川仁志、そして当時ホースニュース馬だった弥永明郎。

こういった予想家の解説を毎週のように聴いて、少しずつ知識を増やしていったのが私の20代である。

話を戻す。

9時に開門となり、1枚1,000円の指定席を買い、出馬表と前日の成績表を手に入れる。

途中からレーシングプログラムという小ぎれいな冊子になったが、初めて行った頃は長い帯状の出馬表だった。

昔の人は「ふんどし」と言っていた。

当時の自分の予想は、至って平凡な予想だった。

専門紙の印を参考にし、前日の成績表を見て、荒れ具合や来そうな騎手を予想して、単勝馬連を数点買う感じだった。

なので当たっても安い馬券ばかりだったが、払戻機に並び、当たり馬券を投入し千円札数枚と小銭が出てくるだけでも、本当に楽しかった。

儲けるというよりも、持ってきたお金をどうやって最後まで残すかということを考えていた気がする。

なにしろ競馬場にATMなど存在しなかった。

私の記憶では、船橋法典駅に戻らないとお金をおろせなかったハズである。

天皇賞の馬券はあまり的中した記憶がないが、そんなことはどうでもよかった。

今年

初めて、リアルタイムで競馬を見た。第157回 天皇賞(春)

4ヶ月ぶりでも、何の違和感もなく見ることができた。

出走馬を見て、応援したのはガンコ。勝つのはシュヴァルゲランかな思った。

どちらの予想も外れて、正直ホッとした。

レインボーラインはきっと買わなかっただろうし。

しかし、賭けていた頃と一つだけ大きな変化があった。

入線後のレインボーラインの容態が本当に心配だった。

正直、競馬に夢中になっていたときはレース後の馬の故障とかは全然他人事だった。

たぶん馬券の的中・不的中や収支のことで頭がいっぱいだったから。

しかし、今日はNHKの中継を見ていて、本当に脚元の様子が気になった。

馬運車に無事乗れるかどうかが、今後の分かれ道になると思った。

でもなんとか乗ってくれた。

その後の報道を見ても、最悪の結末にはなっていないようで少しだけホッとした。

現役を続けられるかどうかはともかく、牧場で元気に走り回れることを願うばかりである。 

GⅠ制覇した代償に、馬が苦しむことになるのは辛すぎる。