私にとって非常に残念で悲しい結果となった。
本命のヴォージュは、2周目3コーナーで後退、そして完走することはできなかった。
右前浅屈腱不全断裂・・・
これが最後の走りとなってしまった。
私が今、元気に毎日出勤でき、平凡ながらも家族3人が生活でき、そして毎週の競馬を楽しむことができているのは、万葉ステークスのヴォージュ号の頑張りがあったからである。
昨年、苦しい思いをしながら競馬とのかかわりを徹底的に考え直し、迎えた年明けの競馬。
土日計48レースから12レースに絞って、単勝1万円勝負をしたが、あっけなく11レース沈没。最後の1頭がヴォージュだった。
万葉ステークス発走前の気持ちを私は今でもよく覚えている。
「年明け早々、競馬で12万円負けてしまう。しかも的中なしのストレート負け」
「また同じ過ちを繰り返してしまった。」
「明日から仕事がはじまるだけでも憂鬱な気分なのに。」
「今晩どう過ごせばいいのだろうか。」
あの頃は15時でも、少し薄暗くなる時間帯だ。
憂鬱な気分で、後悔の気持ちがあふれそうな中、万葉ステークスを見るために、リビングのテレビをつけた。
今でこそ、15時になると妻がテレビを競馬のチャンネルに回してくれるが、当時は、私は競馬が理由で家庭の雰囲気を悪くしてしまっていたので、妻も「競馬やめたんじゃなかったの」と冷たい視線。
肩身が狭いし、金銭的にも心理的にも追い詰められた中、レースはスタートした。
レースは
全く予想外の展開となった。
他馬よりダッシュは悪かったものの、ヴォージュは先頭を奪った。
そして1周目直線、1コーナー、どんどんリードを広げていった。
もう、この騎乗を見ているだけで、私の心は少しだけ満足していた。
「和田騎手は勝とうとしてくれている。とにかく行けるところまで行ってくれ。」
ところが、2周目3コーナーでリードはなくなった。あまりに早い終戦にうなだれるしかなかった。
しかし、ヴォージュは二の足を使って再びリードを広げはじめ、2周目4コーナーでは再び3馬身のリードを奪った。
「もしかしたら、勝てるかもしれない」
再び私の心は沸き立ち始めた。直線コースに向き、和田騎手が懸命に追い出す。
しかし、外から1頭猛然とやってきた。ユーキャンスマイルだ。
武豊騎手、友道きゅう舎、金子真人ホールディングス、ノーザンファーム・・・
日本競馬界最強の組み合わせだ。
それでもヴォージュも三の足、四の足を使って差を詰められながら懸命に粘る。
「なんとか逃げ切れるんじゃないか、でもここまでか」
もうゴール前は見てられなかった。残ったようにも見えたが、なんとも言えなかった。
フジテレビのカメラはヴォージュを映していたが、netkeibaの掲示板はユーキャンスマイル優勢の意見が大勢だった。
ゴールの瞬間から写真判定の結果が出るまでの、自分の無力さを思い知らされた時間は忘れられない。と同時に「取り乱す」とはこういうことなんだなと実感した。
そして、まずないと思っていたヴォージュの勝利を知った瞬間のホッとした気持ちも忘れられない。
生き返ったというか、とにかく力を使い果たしたという感じだった。
ただ大きな壁を乗り越えたという感じはした。
今、振り返ると
ヴォージュ号も、万葉ステークスで一生分の力を使い果たしてしまったのかなという感じがする。
直線での走りを見直すと、本当に精一杯、全力というか全力以上で走っているように見える。
3,000m、和田騎手の激励に応え、本当に良く頑張ってくれたと思う。
しかし頑張って勝ってしまったばっかりに、先の目標が一気に上がって天皇賞になってしまったのかなと思うと、複雑な気持ちになる。
なんかサラリーマンの仕事と同じだなと思うと、なんか悲しくなってしまう。
私も、EXCELに魂を吸い取られそうになるほど仕事を頑張って、4月から昇格することができたのだが、そうすると今までできたことは当たり前となり、新たなミッションが課せられる。
ヴォージュも万葉ステークスで負けていれば、オープン大将として、みなみ北海道ステークスや丹頂ステークス、来年の万葉ステークスで息長く活躍できたのかな。
もう走りが見られないのは残念だが、万葉ステークスの頃になると毎年思い出すことになるのだろう。
間違いなく私の人生を救ってくれた馬だった。
今週は
もう1日競馬が残っている。
苦しい展開だが、日曜日はヴァニラアイスの的中で、明日に望みがつながった。
幸騎手のコース取りは満点だったし、私の予想もバッチリだった。
明日も攻撃的な予想で活路を見出したい。月曜開催は荒れるのが私の持論だ。
≪月曜・京都≫
2R アスタートラゴン(国分優騎手・木原きゅう舎)
3R リンクスリン(シュタルケ騎手・高柳大きゅう舎)
4R レンジャーガール(岡田騎手・河内きゅう舎)
5R ゼットレオ(松山騎手・池添兼きゅう舎)
6R メイショウオニテ(秋山騎手・石橋きゅう舎)
8R ナンヨーマーズ(富田騎手・清水久きゅう舎)
10R アフリカンゴールド(松若騎手・西園きゅう舎)
11R タムロミラクル(松若騎手・西園きゅう舎)
12R クリノキング(幸騎手・湯窪きゅう舎)
≪月曜・新潟≫
2R クラーナハズヌード(斎藤騎手・斎藤きゅう舎)
4R ニシノエアレス(森騎手・浅見きゅう舎)
6R エンジェルインメイ(西田騎手・武藤きゅう舎)
9R ドリームジャンボ(杉原騎手・南田きゅう舎)
10R ダイワスキャンプ(三浦騎手・鹿戸きゅう舎)
11R クリノヤマトノオー(和田騎手・高橋義忠きゅう舎)