平成から令和へ
首を長くして楽しみにしていた10連休がまもなく終わろうとしている。
それだけでも憂鬱なのに、競馬で大敗してしまった人にとっては、この一瞬を過ごすことすら苦しく感じる夜である。
いや、たとえ勝ったとしても、過去の負けや来週もこの勢いをキープできるだろうかという不安を抱えながら過ごしているのではないだろうか。
競馬を続ける限り、安住の地はないというのが私の実感である。
このブログに
来てくださる方は、ほとんどが競馬で負けてつらい思いをした経験がある方だろう。
そして、どうにかして競馬をやめたくて辿り着いたのではないかと思う。
そのために私が渾身の思いで、心がボロボロな中まとめたのがこの過去記事だ。
あと、今の時期だと、この過去記事も参考になると思う。
あと、2018年に書いた記事は、実際にやめている中での経験談や一時的に再開したときのJRAのCMでは絶対に表現されない暗い部分を書き綴ったことが多い。
競馬歴が浅い方や、まだ20代~30代でこれから仕事のキャリアを積み上げていく人や、新しい家庭を築く人は、私のようにならないためにも目を通していただきたい。
特に今、彼氏や彼女がいないけど早く結婚したいなと思う人は、競馬から離れたほうがよい。JRAのCMのように美男美女が仲良く競馬して、それが縁で結婚とか・・・
99.9%ないから!(僕のなかでは)
競馬に費やした時間を、映画を観たり、音楽を聴いたり、都内のお店を食べ歩きや飲み歩きしたりする時間に回せばよかったと、独身でモテない頃は後悔したものだ。
それに気付いたのは、35歳を過ぎてからである。
だが、だが、だが
今回は、私のような
「競馬をやめたい」と一度は(いや何十回、何百回と)固く決意したものの、結局はやめることができずに苦しんでいる、そして負け続けている、だけどやっぱり競馬のある週末を楽しみにしている人(というより仲間)
に向けて競馬を続けるために伝えたいことをまとめてみた。
私は
40代で、妻と息子との3人暮らしである。
土日は休みという中央競馬に参加するには申し分のないサラリーマンで、初めて競馬を知ったのは、平成元年の弥生賞である。
私の両親は、競馬の存在は知っていても過去に馬券を買ったことはなかったが、私の付き添いで競馬場に連れて行ってくれた。
高校生以降の両親との思い出は競馬なしでは語れないほどである。
・有馬記念の指定席抽選のために、12月の中山競馬場で夜を明かしたこと
・福島競馬場で行われたターフマラソンに私が当選し、家族3人でツインターボの勝った七夕賞に出掛けたこと
・JRAの競馬が終わった後、府中本町からの帰り道に南浦和で家族3人で途中下車し、浦和競馬場で大井のナイター競馬を楽しんだこと
・中山競馬場で夏の新潟競馬を楽しんだあと、夜は花火大会で1日過ごしたこと(あの花火大会は、今思えばすごかった。また見たい)
・そして、数十回と足を運んだ中山場外。今はなきクリスタルコーナーの指定席が7時台に満席になって、解散後に満員のロイヤルホストで食べた朝ごはん
両親ともに元気ではあるが、もう後期高齢者。これほどアクティブには動けない。
競馬のおかげで本当にいい思い出ができたと思っている。
もちろん
両親だけでなく、友人とも何度も中山競馬場や東京競馬場へ足を運んだ。
大学時代、豪雨の浦和競馬場で7千円台の馬連を友人が200円、私が100円的中して2人で大喜びした記憶がある。
馬券の種別や予想のしかたは全然違うのだが、賭け金は比較的近くて、そのへんが社会人になっても(私が結婚するまで)15年近く続いたのかなと思う。
何を言いたいのかというと、もう競馬が人生そのものなのである。
競馬では何度も何度も、いやな思いをしてきた。
爆勝ちしたこともあるが、やめたくなるくらい負けたことも数知れずだ。
でも、仕事でイヤなことがあっても、週末の競馬があるから仕事を辞めずに頑張ってこれたのだと思う。
競馬がなければ、気分転換もできなくて今の会社は辞めていたと思う。
ただ、競馬に熱中(依存)してしまったばっかりに、査定は低くなり結果として出世が遅れてしまったのも認めたくはないが事実だ。
もし
あなたが、私と似たような境遇であれば、競馬をやめるのは難しいと思う。
40代やその前後の世代であれば、仕事においても上下左右、全方位に気を配らないといけない世代だろう。会社にいるだけでストレスたまりまくりの状態だと思う。
トレセンの厩舎にいる馬と同じ境遇かもしれない。
そして家に帰っても、夫や妻、そして子供たちが待っているとなれば、平日はホッとできる時間なんかなくて(せいぜい帰りの電車の中くらい)、金曜と土曜と日曜の深夜だけが、ゆっくりできる時間なのではないだろうか。
そうなると季節に関係なく年間を通して、かつ天候にも左右されず、自分のペースで思い通りに楽しめて、過去の経験も活かしたいとなると、やっぱり競馬なのかなと思う。
価値観は
人それぞれだが、やっぱり何をするにしても必要なのは、カネと気力である。
限られた給料で暮らす会社員にとって、カネを増やしたいというのは共通した願いだろう。
よくできた人間であれば、長いスパンで考え、スキルを磨いて出世するのが一番の近道と考えるだろうが、私のような凡人だと、取り急ぎ「競馬で一儲けして・・・」と考えてしまう。
私はある程度レースを絞って、今年になってからは1点1万円の単勝で勝負することにしている。
1点1万円は正直言って、年収500万の身にとっては不相応だなと思う。
単勝1点で勝負していることは他の人に言えても、金額は絶対に言えない。
ではなぜ、そこまでして1万円なのか。
私が回収率150%とか達成できれば何の問題もないのだが、たぶんどんなに頑張っても、運が良くても年間で105%が上限と考えているからである。
今のペースでいくと、年間2000レースくらい参加することになるので、回収率が
101%で、年間20万円の儲け(20,000,000円→20,200,000円)
102%で、年間40万円の儲け(20,000,000円→20,400,000円)
となる。102%を達成できれば、月3万円小遣いがあるのと同じことになる。
レートを10分の1の千円にすると、回収率120%を達成しないと年間40万円の儲けは出ない。(2,000,000円→2,400,000円)
そもそも、回収率100%を達成するのは極めて困難だ。
回収率が100%に届かないのであれば、レートを下げるのが最善の策となる。
払戻率は悪いが3連単を100円単位で買って一発を待つ作戦だ。
払戻率で一番恵まれている単勝でも80%だし、仮に全頭の単勝を買うと、みなさん馬券をよく研究しているので回収率は70%前後になってしまう。
本当に厳しい世界である。
そんなプレッシャーの中での的中は、本当にうれしい。人気サイドの馬券であってもゴール前で勝利を確信したときは満ち足りた気持ちになるし、週のトータルがプラスになれば、街を歩いていても輝いてみえるし、翌週の仕事のモチベーションも上がる。
もう私にとっては麻薬になってしまった。
私のような人間は、死ぬまでうまく競馬と付き合っていく方法を考えたほうがよいと思っている。
それでも
絶対にやってはいけないことが2つあると思っている。
ひとつは「負けた腹いせに、よくない態度をとること」である。
私の場合だと、息子に当たってしまったり、晩ごはんのときに一言もしゃべらない等である。
ひどいときだと床にハンガーを投げつけたら、タンスや壁に傷をつけてしまった。
そんなことにならないよう、悔いのない予想をすることが一番なのだが、どうしてもうまくいかないときはある。
最近も、やってしまったのだが、その後なんとか立て直すことができた。
家族の理解があってこそ、競馬ができるということを忘れてはいけない。
それから、どんなに負けても翌日は歯をくいしばってでも会社に行くことだ。
こちらは、過去記事でも意外とよく見ていただいている。
そしてもうひとつは「返せるアテのない借金」である。
実は、私は銀行のカードローンが約200万ある。
それなのに単勝1万円勝負とか、ギャンブル障害にガチ該当しているのだが、もしどうしても首が回らなくなったときは、持株会を解約するつもりだ。
入社時から、地道に積み立ててきたものだし、息子の教育資金にと思っていたので、解約は避けたいのだが、家庭崩壊は食い止められる。
一時期、消費者金融から借りたことがあるのだが、あの無人契約機で申し込みをするときの惨めさと、あの空間の何とも言えないイヤな空気は忘れられない。
最後に
10連休中ということもあり、いろんなことを書いてしまったが、競馬とのベストな関係は人それぞれということ。
そして負けてつらい夜を過ごすことがあったとしても、やけっぱちにならないこと。
あなた以外にも同じ苦しみを味わいながら、頑張っている仲間がいること。
でも借金においては、最後の一線は踏み越えないこと。 家族全員の生活が壊れる。
そして競馬を続けることで、金銭面はともかく、人生においてはプラスになったと思えるようにしたいものである。